セカンド・オピニオン
セカンドオピニオンとは 別の医療機関の医師に患児の治療方針などの意見をもらうことです。セカンドオピニオンでは患児を診察する場合もあれば、診察しない場合もあります。提示されている治療法が患児にとって最善かどうかを確認するのに役立ったという親もいます。
主治医に「セカンドオピニオンを受けたい」と言うと、通常は了承してくれます。主治医は情報を求める親の気持ちを理解していますし、セカンドオピニオンは困難な状況を乗り切るため一部、と考えています。
ここでも、主治医に全面的に協力してもらいましょう。セカンドオピニオンの担当医師が、患児の最新の検査、画像所見、病歴などの情報を得ることで、何度も検査(放射線被曝、鎮静剤投与などの処置)を避けることができます。追加検査が必要になるかもしれませんが、できるだけ健康リスクとコストを減らしたいものです。
まれに、主治医がセカンドオピニオンに難色を示すことがあります。セカンドオピニオンを受けることで 「治療開始が遅れ、患児の状態が悪化する可能性が高い」 と判断した場合です。時間が許すならば、セカンドオピニオンは患児の助けになり、現在の治療チームへの信頼感を高め、「もしも、こうしていれば・・・」という親の精神的負担を取り除くのにも役立ちます。
主治医にはどのように依頼すればよいでしょうか。他の親が、「主治医に快く受けてもらった」という例をご紹介します。
「先生がうちの子のために一番いい方法を考えてくれていることは、
よくわかっています。わたしたちが正しい判断をしているかどうかを
確信したいのです。不安な気持ちを無くすために、ぜひ、セカンド
オピニオンをお願いします」
セカンドオピニオンでは 患児の治療チームが今何を行っているかを確認します。場合によっては、別の治療法について、セカンドオピニオンの医師と今の治療チームが協力して考えることもあります。転院という選択肢もあるかも知れませんが、見知らぬ場所や新しい環境で治療を受けるため、それがストレスになることもあります。そのため、転院をしなくてもよい方法も検討します。
もしも治療拠点を別の病院に移すことになった場合、自宅近くの治療チームとの関係を残しておきましょう。病院によっては臨床試験や治療を提供していても、そこでは一部の治療しか行わず、残りの治療は自宅近くの病院で受けるという場合があるためです。また、緊急事態が発生したり、新しい治療法ができた時には、地元の病院に頼らなければならないかもしれません。
主治医にセカンドオピニオンの話をしづらい場合は 難しいことですが、患児の主治医の助けを借りずに、別の医師の意見を求めることも可能です。医療記録は患者(未成年であれば保護者)のものです。セカンドオピニオンでは科学的根拠のある回答をするために、できるだけ多くの診療情報があるとよいでしょう。
(訳注:もしも主治医からセカンドオピニオンを拒否された場合はその理由を確認しましょう。また、セカンドオピニオン側から医療記録などを希望されることもあります。その場合は医療記録の開示請求もできますので、手続きをしましょう。アメリカでは面談時にセカンドオピニオンを勧めることも多く、日本でも同様の方向になっています)