骨肉腫

骨肉腫は、骨のがんです。本来ならば新しい骨組織を形成するはずの未熟な骨細胞(骨芽細胞)から発生します。通常、骨肉腫は骨の中から発生し、局部組織を破壊して骨を脆くします。骨外の軟部組織に腫瘍が発生することはほとんどありません。骨肉腫は、思春期および若年成人期に発生することが多いですが、小児期に発生することもあります。

骨肉腫は骨芽細胞の過剰な活動が誘因となって起こり、膝関節周囲の骨、膝に近い下肢、大腿骨に最もよく発生します。しかしながら、身体中のどの骨からでも発生する可能性があります。

人体骨格図

骨肉腫の大半は基礎疾患がなく、家族内に骨がんの人がいない人に発症します。兄弟姉妹が骨肉腫を発症する家族は極めて稀です。もし兄弟姉妹間の発症がみられた場合には、稀な家族性の遺伝子欠損による腫瘍発生の可能性を詳細に検討する必要があります。その場合は、家族全体が検査や研究の対象になります。遺伝子欠損が発見されれば、リスクがある家族を特定したり、骨肉腫の発生過程を解明したりするのに役立てられることになります。

骨肉腫は、複数の遺伝子異常が組み合わさることによって引き起こされるのではないかと考えられています。この複数の遺伝子異常によって未熟な骨芽細胞が骨にならずにがん細胞となります。

 

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