痛み
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小児がんの子どもが痛みを感じる原因はたくさんあります。がん細胞が骨や組織に痛みをもたらす場合もあれば、がんの治療が口内炎や皮膚の損傷などの副作用を引き起こす場合もあります。骨髄穿刺や腰椎穿刺のように痛みを伴う検査もあります。
お子さんに痛みがある場合には、治療チームに知らせることが重要です。そうすれば、治療チームが痛みの原因を特定し、あなたと一緒になって可能な限り痛みを抑えられる治療計画を立ててくれます。
子どもは年齢に応じて痛みに対する理解や反応が異なります。
年齢ごとの痛みへの理解
0~3ヵ月:
- 痛みということがわからないので、いろいろな表現をします
- 痛みの記憶はあると思われますが、証明されていません
- 足をばたつかせたり泣いたりすることで痛みを表しているかもしれません
3~6ヵ月:
- 悲しみや怒りは痛みに対する反応の一部です
6~18ヵ月:
- 痛みの記憶があります
- 痛みを感じる状況を怖がります
- 痛みを表すのに言葉を発します
18~24ヵ月:
- 痛みを表すのに「痛い」という言葉を使います
- 過去に苦痛を与えた状況や物を避けようとします
- 痛みに対処するために、抱きしめてもらうことやキスしてもらうことを望んだり薬を欲しがったりします
2~3歳:
- 痛みを表現することができ、何のせいで痛むのかを理解できます
3~5歳:
- 痛みの程度(痛くない、少し痛い、とても痛い)を表現できます
- 痛みを軽減するために気を紛らわせたり遊んだりします
5~7歳:
- 痛みの程度をよりはっきりと表現できます
- 痛みから自分の気を紛らわせることができます
- 自分自身を励ますことができます
7~10歳:
- どこが痛むのかを説明することができます
11歳以上:
- 痛みによって具合が悪い場所をあなたに説明することができます
鎮痛剤の使用
自宅でお子さんに鎮痛剤を使用する場合には、事前に必ず主治医に相談してください。鎮痛剤の種類・量・投与方法は、痛みの種類、お子さんの体重、お子さんが薬を内服できるかどうかによって異なります。疼痛評価スケール(※訳注)などの手段の利用はお子さんの痛みをコントロールする際に役立ちます。どの疼痛評価スケールの使用を推奨するかを主治医に尋ねてください。お子さんができるだけ快適に過ごせるようにすることが目標です。(※訳注:痛みは人によって感じ方や程度が異なるため、客観的に評価することが難しく、様々な評価スケールが開発されています。一般的に医師が診療の際に用いるのは「視覚的評価スケール(VAS)」、「表情評価スケール」などと呼ばれる「ものさし」のような形状の道具で、患者さんから痛みの程度を伝えてもらう際に使用します。)
お子さんがより快適に過ごせる方法
親はわが子が快適に過ごせる方法を知っています。あなたはお子さんのことを一番良く知っているのです。お子さんに痛みがあると思う場合、以前に痛みを軽減させる際に役立った方法を治療チームのスタッフに伝えてください。
お子さんがより快適に過ごせるようにするためには、以下のような方法が役立ちます。
- 気晴らし: お子さんが楽しいことやくつろげることを考えたり、そのことに集中したりできるように手助けしましょう。映画を見たり音楽を聴いたりするのは気晴らしの一例です。
- 視覚的な環境: お子さんが安心してくつろげる楽しい場所にしてあげましょう。
- 深呼吸: 身体がリラックスするのを助け、気晴らしにもなります。
これらの方法はいずれもお子さんをリラックスさせ、痛みをやわらげるのに役立つかもしれません。お子さんがさらに快適に過ごせるようにするための方法については治療チームのスタッフと相談してください。