神経因性膀胱
特定の種類のがんやがん治療は、膀胱に悪影響を及ぼすことがあります。このページでは、神経因性膀胱の徴候と症状に気付くために知っておくべきことを記載します。
神経因性膀胱とは
神経因性膀胱は、尿をいっぱいに貯めてから空にして排出するという膀胱の機能が、神経の損傷によって影響を受けると起こります。膀胱がまだいっぱいになっていないのに頻繁に、あるいは急激に排尿が起こる場合があります。神経因性膀胱によって尿路感染症や腎機能異常の発症リスクが高くなります。
リスク要因
膀胱、前立腺、骨盤、脊椎などに腫瘍があった小児がん経験者には神経因性膀胱のリスクがあります。これらの部位に手術や放射線治療を受けた人も同様です。
症状
神経因性膀胱の症状は、突然の排尿衝動と頻尿です。尿切れが悪い、排尿中の力み、排尿困難などの症状が起こる場合もあります。
神経因性膀胱だと思う場合は、泌尿器系の専門医(泌尿器科医)に診察してもらいましょう。特定の検査をすれば、尿を貯めて排出する膀胱の機能が正常化どうかを調べることができます。
神経因性膀胱の治療
神経因性膀胱の治療は人によって異なります。貯めた尿を完全に出しきることができない、または、排尿が頻繁すぎたり急すぎたりする場合には、薬物治療が行われます。薬が効かないと膀胱を大きくする手術が必要になることもあります。
いかなる方法でも膀胱を空にすることができない一部の症例では、尿道へ小さなチューブ(カテーテル)を日に数回挿入し、尿を排出させる必要があります。こうすれば、腎臓と尿管を経由した尿の流れが膀胱で停滞して膀胱内の圧力が高くなりすぎるのを防ぐことができます。
受診の必要性
以下のいずれかの症状がある場合は、主治医に連絡してください。
- 通常の排尿よりも夜間により多くの時間を要する場合
- 尿もれが起こる場合
- 熱や痛みがある場合
- 血尿に気付いた場合