母親の想い『治ると信じて、決してあきらめないで』

「治ると信じて、決してあきらめないで」

byロシェル・パターソン

 娘のレアは元気で、ごく普通のこどもでした。ある日、ぐったりとしているのに気が付きました。数週間にわたる検査の結果、左副腎にテニスボール位の大きさの腫瘍がみつかりました。最終的な診断は神経芽腫でした。レアは2歳。私たち家族はショックと恐怖に襲われました。これからどうしてよいか、幼い娘が治療にどう反応するかを心配していました。
 患児の家族は、お金のこと、がん種も様々でそれぞれに必要な治療法があること、選択肢もその都度限られること、など辛い現実を知ります。私たちにできることは、主治医の指示に従い、娘を見守り、治療計画がうまくいくことを祈ることだけでした。

 治療計画書では、6回の高用量化学療法、自家幹細胞移植、腹部と左副腎の原発腫瘍の外科的切除、12線量の放射線、7か月の免疫療法、さらに寛解維持のために2年間の臨床試験に参加することになっていました。レアはフロリダ州の病院で治療を受け、そこで臨床試験に参加することができました。

 娘と私たち家族は前向きでいるようにしました。ありがたいことに、治療により病状は奇跡的に良い方向へ向かいました。がんと診断されたのは2歳で、入院治療を終えたのは3歳半でした。臨床試験を終えたのは、6歳になる少し前です。
 現在、7歳となったレアは幸せに、活発に過ごしています。しかし、強い治療を受けたために特別なケアが必要です。腫瘍科、理学療法、聴覚検査や他の専門的なクリニックで継続的に健康診断と治療を受けています。高周波領域の補聴器を使うようになり、副腎は1つになり、歯の問題、慢性的な痛みがあります。

 化学療法や放射線療法などの治療を経験した娘やすべての患児にとって、生きることは贈り物です。患児たちはその贈り物を受け取るに十二分にふさわしい存在です。私たち家族が小児がんとの闘いから学んだことは、「信じること」「最高の人生を送る」「愛する人とたくさんの思い出を作る」「小さなことを気にしない」です。


 信じて。
 絶対に希望を捨てないでください。

日本語版更新:202010
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