祖母の想い『私のヒーロー』
「私のヒーロー」
byジョイス・サンダース
メリーランド州とノースカロライナ州、410キロ以上往復するのはとても大変です。治療のために幼い孫娘を見舞うとなれば、なおさらです。2歳の孫娘イブがウィルムス腫瘍と診断された後のことです。
イブの病気がわかった日、私は息ができなくなったように感じました。何時間も泣きました。私は腫瘍科の看護師でしたので、私たちが直面していることを知っていました。だからこそ辛かったのです。
診断はショックでしたが、私はイブのために側にいようと心に誓いました。イブのもう一人の祖母とで交互に家を訪問して、イブの3歳と4歳のきょうだいの面倒をみることにしました。イブの両親は患児のケアに集中することができました。私たち全員にとって、恐ろしくて、とてつもなく辛い時間でした。それでも、みんなの生活が平穏に保たれるように最善を尽くしました。
イブはどうにか治療に区切りがつきましたが、経過観察の予約日の前になると、私はとても神経質になりました。不安になり、すべてが良好だと聞くまでは落ち着くことができませんでした。そして6年が経ち、再発していないと宣言されました。
イブは9歳、ほとんどの大人でも経験しないことを経験しました。私は38年間、おとなの腫瘍科の看護師でしたので、信じて頂きたいのですが、こどもたちは、おとなよりもはるかに強いです。すぐれた回復力があり、“がん”というものに負けないのです。
ヒーロー映画の台詞にありました。
「私たちみんなの心にヒーローがいるの。だから正直に、勇気をもって、気高くいられるの」
私にとってのヒーローは孫のイブです。強くて勇気があり、悪と戦います。すべての患児は憎いがんと戦うヒーローです。
日本語版更新:2020年10月