横紋筋肉腫
横紋筋肉腫(RMSまたはラブドとも呼びます)とは、がん化した横紋筋芽細胞と呼ばれる未熟な細胞で形成される腫瘍のことです。米国では毎年、15歳未満の小児のうち約350人が横紋筋肉腫と診断されています。横紋筋肉腫のおよそ3分の2は10歳未満の小児に発生します。
横紋筋肉腫の発生頻度が最も高い部位は以下の通りですが、体内のどの部位にも発症する可能性があります。
- 頭蓋底付近(髄膜近辺)
- 眼の周囲(眼窩)
- 鼻やのど(鼻咽頭)など、頭頚部のその他の部位
- 腕や脚(四肢)
- 泌尿器系および生殖器官(膀胱、膣、前立腺、精巣付近を含む泌尿生殖器)
小児の横紋筋肉腫は、顕微鏡下の検査(病理組織学的診断)での腫瘍細胞の所見に応じて、主に2種類に分けられます。
胎児性横紋筋肉腫(ERMS): 最も多い種類です。
- ERMSは幼児に発生する傾向があります。発生頻度が高い部位は、眼窩と呼ばれる眼の周囲、頭頸部、泌尿生殖器系などです。
- ERMSは、鼻腔、膣、膀胱などの粘膜で覆われた管腔臓器に発生することが多く、全体がブドウの房のような形に見えます。この”ブドウの房状”の組織所見を持つ腫瘍はERMSの特殊型です。
胞巣状横紋筋肉腫(ARMS): 横紋筋肉腫の約25~40%を占めています。
この種類は思春期に発生頻度が最も高く、腕や脚によく発症します。