退院に向けて
入院治療を終えて
退院は患者や家族にとって大きな喜びです。それと同時に、家族には新たな不安が出てきます。通院治療、経過観察、新しい日常生活へなどに関することです。
退院時は、家族内でも、それぞれが違う反応を示すこともあります。患児は退院の喜びでいっぱいです。親は「どういう点に注意して患児のケアをすればよいのか」と心配になります。
また、一般的な反応として、「再発するのではないか」という恐怖感があります。これは、入院中のように医療計画、投薬、検査などが頻繁に行われなくなり、「積極的に病気と闘っていない」と感じるからです。
よくある質問
治療チームは、「治療終了が近づくにつれて、患者や家族には不安が生じやすい」ということを認識しています。外来通院移行時、不安を鎮めるためにも、自由に質問できる時間を取ってもらいましょう。
よくある質問は次の内容です。
- 現段階で患児が使用している薬はいつまで服用するのか。
- よくある病気と、がんに関係のある症状をどのように見分けたらよいか。
- 連絡先は腫瘍科になるのか。
- 検査通院はどれくらいの頻度か、経過観察はどのくらいの期間になるのか。
- 治療と経過観察の概要を書いたものをもらえるか。
- 治療終了後に出やすい症状や治療の副作用はどのようなものか。
- がんが再発する可能性がある場合、最も可能性の高い期間はいつか。
- 再発の場合、親に分かるのはどのような症状か。
- インフルエンザなどの予防接種はいつから再開できるか。
- 退院後の生活に移行するにあたり、どのようなサポートがあるか
- 復学して、よくある問題はどのようなことか。
- 退院後も引き続き、病院内の院内学級などの教育支援を利用することはできるか。
- 患児や家族が日常生活にうまく戻れない場合はどうしたらよいか。
- 患児の長期フォローアップ計画はどうなっているか
(訳注:近年では日本でも、過去に受けた治療内容を把握した上で、晩期合併症の予防や発見、健康管理を行うことができるよう「長期フォローアップ外来」が設けられるようになりました)