貧血(赤血球減少)
赤血球は身体に酸素を運んでいます。呼吸をすると酸素が肺に入り、赤血球中のヘモグロビンと結合します。ヘモグロビンが身体の全ての臓器や組織に酸素を送り届けるのです。赤血球の数と機能を測定するには以下の2つの臨床検査値が用いられます。
- ヘモグロビン値: 赤血球がどのくらい酸素を運ぶことができるかについて示します。ヘモグロビンの正常値は12~16です。
- ヘマトクリット値: 血液中の赤血球の割合(%)を示します。ヘマトクリットの正常値は36~50です。
貧血の症状:
ヘモグロビン値が低いと、身体の様々な部分に十分な酸素が行き渡りません。
ヘモグロビン値が低い場合には、以下のような症状が現れることがあります。
- 倦怠感(疲労感)
- 息切れ
- 頭痛
- 心拍数の増加
- 皮膚や歯肉の色が蒼白になる
- めまい
お子さんのヘモグロビン値が低すぎる場合は、輸血が行われます。
輸血:
必要な場合には、お子さんの血液型に適合する輸血が行われます。輸血は中心静脈カテーテルまたは腕の静脈への点滴によって数時間かけて行われます。反応を見るために、輸血の間中、お子さんは監視されます。
輸血に関して最も多い不安は、HIV(※訳注:ヒト免疫不全ウイルス)によるエイズ(AIDS)や、肝炎にかかるリスクです。輸血からエイズや肝炎にかかるリスクは非常に小さなものです。全ての血液提供者はHIVや肝炎などのウイルス感染がないかどうか血液検査を受けます。いかなる病気であっても陽性反応があれば、その血液は廃棄されます。研究では「(身内や知人などからの)直接献血」であっても安全性は高くならないことがわかっていますが、その方が安心だと思えるのならば、身内や知人に頼んでみましょう。献血の申し出は必ず歓迎されますし、親戚や友人にとっては患児を助けていると実感できるすばらしい方法です。「直接献血」の手続きなどについては、治療チームのスタッフに確認してください。