吐き気・嘔吐
化学療法と放射線治療は、吐き気、嘔吐および下痢を引き起こす場合があります。これらの症状はいずれもお子さんを脱水症(体内の水分の喪失)の危険にさらすおそれがあります。
通常、化学療法や放射線治療の前には吐き気や嘔吐を抑える薬が投与されます。吐き気や嘔吐を抑える薬の種類や量は、お子さんの治療計画や治療への反応に基づいて決まります。お子さんが化学療法後に家で嘔吐する場合は、追加の薬の投与や別の治療をしてもらえる可能性もあるので、主治医に相談しましょう。
吐き気や嘔吐を起こりにくくするのに役立つ方法は以下の通りです。
- 食事やおやつは少量にしましょう。
- 消化の良い物(クラッカー、ご飯、ゼリー)を食べさせましょう。
- 冷たくて透明な飲み物を摂らせてください。
- 揚げ物、スパイスが効いている物、こってりした物は食べさせないでください。
- 料理やその他のにおいがしない部屋で食べさせましょう。
- 嘔吐の後はお子さんの口をすすいでください。
栄養管理について:
- 甘すぎる物、脂っこい物、香辛料が効いている物、においが強い物は食べさせないようにしましょう。
- 少量を食べさせるようにしましょう。小さなお皿や器を使えば、お子さんをがっかりさせません。
- 食事中に飲み物を摂るのは我慢させ、その代わり、食事の20~30分前か後に飲ませてあげてください。
- 食べたり飲んだりをゆっくりと行うようにお子さんを励ましましょう。
- お子さんの我慢の限界以上に強要しないようにしてください。
- 吐き気がある時にお子さんの好きな食べ物を出さないでください。それが吐き気をもよおすと、お子さんはそれらの食べ物が嫌いになってしまう可能性があります。
- 放射線治療または化学療法の最中に吐き気が起こる場合は、治療の1~2時間前から食べ物を与えないようにしましょう。
- 乾燥クラッカー、シリアルあるいはトーストを食べさせましょう。
- 冷たくて透明な飲み物は気分がすっきりします。
- 料理のにおいで吐き気が起こる場合があるので、食事やおやつはよく換気された部屋で出してください。冷たい食べ物は温かい料理よりにおいがしないので、より我慢しやすいかもしれません。においを取り除くために料理中は台所の換気扇を回してください。
- においで吐き気を催す場合があるので、お子さんの前で病院食のトレーの蓋をはずさないようにしてください。蓋は部屋の外ではずし、お子さんが欲しがる物だけを部屋の中へ入れましょう。
- 朝食用の加工食品は最も受け入れられやすく、いつでも好きな時に食べることができます。
- お子さんにはゆったりとした服を着せてあげてください(あるいは着るようにお子さんに言ってください)。
- 吐き気や嘔吐が激しい場合は、脱水にならないように水分だけでも摂るようにお子さんを励ましてください。症状が続く場合は、主治医に連絡を取ってください。
これらの症状をコントロールするために使う制吐剤と呼ばれる薬に関しては、主治医に相談してください。