健康維持のための受診

たとえ治療が終わっても、小児がん経験者は定期的な健康診断を受ける必要があります。受けた治療の内容によっては、年齢を重ねるにつれて健康に問題が生じるリスクが高まるかもしれないからです。

このページでは、適切な医療機関から最良のケアを受けるために知っておくべき情報を記載します。

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必要なケア

「健康管理チーム」をつくるようなつもりで、いくつかの医療機関の情報を集めましょう。

長期フォローアップのための医療機関:

自宅に近いがん専門病院などに電話をして、小児がんの長期フォローアップのためのプログラムがあるかどうかを問い合わせてみましょう。長期フォローアップは、がんの治療を受けた病院と連携している医療機関で受けることもできます。

ほとんどの小児がん経験者は長期フォローアップのために年1回程度受診します。長期フォローアップのための受診では、がんの治療を受けたことで健康上の問題が起きていないかどうかを医師が診察します。このような健康問題は「晩期合併症(晩期障がい)」と呼ばれています。ほとんどの小児がん経験者に深刻な晩期合併症は起こりませんが、万一の場合に早期発見できるように健康状態を定期的に調べることが大切です。

かかりつけ医:

がん専門病院などで受ける長期フォローアップのための受診は、日常的な健康問題のニーズを満たせるようにはなっていません。日常的な健康問題に関する相談や、ケガや軽い病気で受診するために、地元にかかりつけ医を持っておく必要があります。家族や友人などにも協力してもらい、医療の質が優れていて、丁寧で、話をよく聞いてくれる医師を見つけましょう。

一般的な健康診断と、病歴や健康問題のリスクについて相談するために、まずは診察予約を取りましょう。病気になってからではなく、健康な時にこのような受診をしておくことが大切です。

米国小児がん研究グループ(Children’s Oncology Group、略称COG)は小児がん経験者を診察する医師のための健康管理スクリーニング・ガイドラインを設けていますので、そのこともかかりつけ医に伝えてください。
(※訳注:このガイドラインは htttp://www.survivorshipguidelines.org/ で閲覧することができますが、英文サイトです。)

がんやがんの治療に関連した健康問題が何かあれば、かかりつけ医はそれをがんの主治医や長期フォローアップの担当医と話し合ってくれるでしょう。

歯科医など、その他の医療提供者:

健康管理のために必要なその他の医療提供者については、かかりつけ医に相談しましょう。歯科医のほか、例えば理学療法士や心理療法士などが必要な場合もあります。

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医療提供者側が必要とする情報

小児がん経験者本人と受診先の医療提供者の双方が、がんの病歴とその治療の詳細を知っていることが重要です。がんの治療を行った医療機関から治療記録のコピーをもらって、新しく受診する医療提供者にこれまで受けた治療の詳細を知らせてください。また、がんの治療を行った医療機関からは「治療サマリー」と呼ばれる、受けた治療の概要を記した書類ももらってください。「治療サマリー」などは自分でコピーをして、全ての受診先に提出するようにしましょう。

情報提供によって期待できること:

過去に受けた治療についての情報を共有することで、医療提供者に以下のようなことを期待できます。

  • それぞれの医療提供者が、専門(たとえば、歯科医が歯に詰め物をする、心理療法士がカウンセリングを行うなど)の範囲内で必要な治療を行ってくれます。
  • 小児がんに関係のある健康問題がないかどうかを定期的に調べてもらえます。
  • 健康を維持するためにすべきことと避けるべきことを忠告してくれます。
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