急性リンパ性白血病(ALL)
急性リンパ性白血病(以下、ALL)は、骨髄で発生し、血流にのって広がる血液のがんです。ALLは小児に最も多いがんで、米国では全小児がんの35%を占めています。米国では毎年、約2,900人の小児および若年者(0~21歳)が新たにALLと診断されています。
白血病とは、新しい血液をつくりだす骨髄(骨の中のスポンジ状の組織)で発生する病気です。つまり、白血球になる前の「芽球」と呼ばれる未熟な細胞が突然変異により無制限に増殖することで発症します。芽球は骨髄で数を増やし、正常な血液細胞に取ってかわります。1つの芽球は急速に何十億にもなり、診断時には一般的に合計約1兆個(100万×100万)もの白血病細胞が体内に存在します。
ALLの症状
白血病細胞が増殖すると、正常な血液細胞を締め出してしまいます。正常な血液細胞の減少が以下のようなALLの症状を引き起こします。
- 赤血球数が減ること(貧血)による倦怠感や血色不良
- 発熱、または、正常な白血球数の減少(好中球減少症)に起因する感染による発熱
- 血小板の減少(血小板減少症)による内出血(紫斑)や出血
- 骨の痛み(関節の腫れを伴うことがある)
白血病の徴候や症状は、小児期のごく一般的な病気の症状と同じであるため、多くの患児は白血病と診断される前に、別の病気として治療を受けていることがあります。ALLのほとんどの患児は、診断が確定する前に数週間から数ヶ月間にわたって症状があります。症状が出始めてから診断が下りるまでの期間の長短によって治癒の可能性が左右されることはありません。