患児の「精神的成長」
親には、困難を乗り越える患児をサポートをするという役割があります。その中で、わが子が強くなったことを実感したり、その勇気を褒めたりすることがあります。これは、こどもが自分自身の成長を認識することをサポートすることであり、患児が自分の強みを知ることができるようにすることです。おとなは、その様子を声に出して見てあげてもよいですし、こどもが強さを示してくれたら、その事柄を繰り返し言ってあげるとよいでしょう。
例えば、患児が勇気を出して苦手な採血や検査を受けようとしていたら、その勇気を誇らしく思っていることを伝えます。また、患児が「採血、頑張ったよ」と話してくれたら、親はどれほど感心しているかを繰り返し言うとよいでしょう。
患児に、がんを経験したことで自覚した変化を聞いてもよいでしょう。前向きな気づき(ベネフィット・ファインディング) を具体的に聞いたり、親として気づいた変化を患児に伝えてもよいでしょう。患児が、普段から自分のことをどのような手段で表現したいのかによりますが、罹患して生じた変化について、ともだちに話したり、手紙、メール、歌、詩にしたり、メモ書きにするよう勧めてもよいでしょう。
しかし、こどもの経験がすべて前向きにとらえられるというわけではありません。病気の結果としてプラスになったことを話すのは楽しいかもしれませんが、マイナスだと思うことについても話していいということを、患児に伝えておきましょう。