インフォームド・コンセント ~面談~

 患児ががんと診断されると、担当医は治療の準備を始めます。治療開始時に、主治医や治療チームは親と「面談」を行います。そこでは、診断から分かっていること、最もよい効果が期待される治療法を説明し、治療法を理解して選択するための情報を教えます。そして、治療方針の判断をすることになりまる。これを「同意」といいます。
 面談の目的は、詳しい『説明』を行い、『理解』を得て、『思いや意向を参加した全員で共有』しあい、患児のための治療に『同意』して『決定』できるようにすることです。
(※訳注:この面談の一連の流れをインフォームド・コンセントといいます。インフォームド・コンセントは「意思決定のための場」であり、ここでは「面談」とします)

面談では以下のような説明を行います。

  • 現時点で可能で最も効果的な治療法に関する情報提供
  • 起こりやすい副作用やリスク、および、この治療が一般的にどの程度成功しているか
  • 予想される入院期間、退院後の注意事項や必要なケア
  • 臨床試験による治療が提示される場合には、いつ治療が行われ、どのような計画で進められるか
  • 患児に対する標準治療と、臨床試験による治療との差異

 「共有する情報が複雑で、一度に受け止めるのが難しい」「今は感情的になっているから、普段よりも理解するのが難しい」ということを治療チームは承知しています。治療チームは分かりやすく説明するのが役割ですし、きちんと理解した上で治療方針を決めてほしいと思っています。必要なことはどんどん質問して、分からないことがあれば専門用語ではない言葉で説明してもらいましょう。

 一番重要なことは質問をすることです。率直に話して質問をする家族は、患児のがんや治療のことをよく知っています。些細なことであっても、ためらわずに聞きましょう。
 質問の機会は他にもありますが、治療チームにとっては面談時の質問が特に重要です。面談で聞くのを忘れても心配しないでください。治療について学ぶことは時間がかかります。治療中、治療終了後、いつでも質問してよいのです。治療チームの人たちは全員、何度でも質問されることを期待しています。

日本語版更新:20206

 

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